きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

良いお年を

ようこそいらっしゃいませ。

長いような短いような1年でした。週中の水曜&木曜は海外競馬の話題を中心にお届けしていますが、今年もいろいろありました。アメリカではその名もアメリカンファラオが37年ぶりに三冠馬に。ヨーロッパでは追加登録料1700万円を支払ったゴールデンホルンがダービーを勝ち、凱旋門賞では絶対女王トレヴを置き去りにしました。日本でもドゥラメンテが春の二冠で圧倒的な存在感を誇示しています。何かをやってくれそうなワクワク感をみなぎらせた馬です。故障で秋の陣に参戦できなかったのは残念ですが、その不在が逆に彼の図抜けた能力を証明する結果だったとも言えそうです。ラブリーデイの天皇賞秋、ショウナンパンドラのジャパンC、ゴールドアクターの有馬記念、口にしてはいけないことなのでしょうが、ドゥラメンテの姿が見たかったというのが本音です。

ガリレオ危うし!シーズン前半からドバイワールドCシリーズなどダーレーの大エース種牡馬ドバウィが飛ばしに飛ばし、リーディングサイヤーの座に驀進したのですが、終わってみれば帝王ガリレオが
6年連続で7度目のチャンピオンサイヤーに輝きました。シーズン終盤の高額賞金レース群のBCターフを牝馬のファウンドが、香港ヴァーズでハイランドリールが勝ち、チャンピオンの座を確定的なものにした層の厚さは圧巻でした。このあたりがチャンピオンのチャンピオンたる由縁なのでしょう。

来年以降はそのガリレオ系の進化が問われる時代に入りそうです。彼の代表中の代表後継馬フランケルの初年度産駒がデビューするからです。世界中からG1馬やG1馬の母など超優良牝馬に絞って133頭を集め、126頭の産駒が誕生しています。誕生しなかった7頭中6頭は受胎後の死亡でした。受胎率にして99%超。もの凄い生命力です。この馬が競馬の歴史を変えてしまうかもしれない予感がヒシヒシ伝わってきます。日本でも現時点で6頭の明け2歳馬がスタンバイしており、預託予定先も藤沢和雄厩舎、角居勝彦厩舎、池江泰寿厩舎など超一流ステーブル揃いです。これで結果が出なければ、世界の巨大血統山脈として君臨するサドラーズウェルズ~ガリレオ系の日本適性も永遠に閉じられる、そんな重圧がのしかかります。調教師さん、厩舎の皆さんにも勝負の年になりそうです。

それはさておき、来年は海外馬券の発売というビッグイベントも開始されます。世界がいよいよ身近に、狭くなっていきます。当欄もよりホットなニュースをお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆さま、良いお年をお迎えください。

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