きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

父仔三代ライバル

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来春からの種牡馬種付け料の話題をお届けしています。ヨーロッパではドバウィ旋風が吹き荒れ、倍増近い22万5000ポンド≒4000万円超に急騰し、最高峰ガリレオの背中がかすかに見えるところまで追い上げています。一方の馬産大国アメリカでは、当然ながら37年ぶりの三冠馬アメリカンファラオが文句なしのヒーローですね。取りこぼしもあったのですが、ラストランのBCクラシックは余裕たっぷりの楽勝で、この馬の底知れないポテンシャルの高さを強烈に印象付けました。繋養先のクールモア・アシュフォードスタッドが付けたお値段は20万ドル≒2400万円超、初年度種付け料としてはゴーストザッパー以来の高値だそうです。怪物フランケルのそれがドル換算で19万5000ドル相当でしたから、ファラオフィーバーの凄さが伝わります。

フィーバーはこれで終わらずに、父パイオニアオブザナイルが6万ドルから12万5000ドルと跳ね上がり、祖父エンパイアメーカーまでが日本から買い戻されて、日高時代の350万円から10万ドル≒1230万円とちょっとバブリーな雰囲気も漂ってきました。日本に残された産駒は5世代で来年誕生する16年産を含めて600頭くらいでしょうか。この中にアメリカンファラオのような傑出馬が混じっていると嬉しいのですが、何とか10万ドルの価値を証明してもらいたいものです。

評判が急上昇しているのは、新種牡馬ながら5戦5勝でBCジュベナイルを勝ったナイクィストを出したアンクルモーですね。2万5000ドルから3倍の7万5000ドルに跳ね上がっています。自身2歳チャンピオンで早熟性は織り込み済みでしょうが、早くに故障で引退しておりクラシックへ向けての成長力はどうなんでしょうか?ファラオと同じアシュフォードの供用馬で強力なライバルになるかもしれません。
スキャットダディも3倍近い上昇率で10万ドルの大台へ到達しました。ストームキャットからヘネシー、ヨハネスブルグを経由した仕上がり早の血でノーネイネヴァーとか今年のアカプルコとかロイヤルアスコットに遠征して勝ちまくるスピード馬を次々と輩出していることで有名です。この馬もアシュフォード所属で、秋シーズンはチリにシャトルされ南米でG1勝利を量産して既に大種牡馬の域に達しています。北米競馬もアメリカンファラオの三冠達成で急激に盛り上がっているようです。ヨーロッパもそうですが、来シーズンが楽しみな海外競馬の盛況ぶりに注目したいものです。

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