きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

馬齢を重ねた強みと凄み

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日曜東京競馬場で行わた天皇賞(秋)は、1番人気のラブリーデイが2着ステファノスに半馬身差をつけての優勝となりました。3着にイスラボニータが入り、4着ショウナンパンドラ、2番人気に支持されたエイシンヒカリは9着の結果でした。ラブリーデイは今年の入り重賞6勝目、G1は春の宝塚記念につづいて2勝目となりました。

レースはスタートからエイシンヒカリが先手を奪いにいこうとするも、馬場内からクラレントが逃げてハナに立ち、エイシンヒカリは2番手で進む形になりました。エイシンヒカリが逃げることを期待していたファンも多かったこともあり、これにはどよめきも。その後ろカレンミロティックが3番手にあがり、ラブリーデイはその後ろを追走。1000mは1分0秒6での通過となりました。
さて直線での攻防ですが、これがもうラブリーデイの安全運転ともいうほど万全の態勢での内容となりました。先頭を狙うエイシンヒカリを残り200m手前で交わして先頭に立ち、最後は後ろから迫ってきたステファノスを振り切って優勝。着差は半馬身差でしたが、着差以上に完勝といった内容で、今年の天皇賞(秋)はラブリーデイが古馬戦線の主役の座の地盤を固めたような結果となりました。

それにしても今年に入ってからのラブリーデイの強さには驚かされます。3歳クラシック時は皐月賞15着、ダービー7着でいずれもブービー人気でした。その後、小倉記念に金鯱賞と2着するも4歳古馬になってから6戦して1勝。勝利をあげたのはメトロポリタンステークスのみです。そのラブリーデイが明け5歳になってからまるで別馬のようにレコードタイムをつづけて叩き出し重賞連勝。そして今回6つ目となる重賞タイトルに2つ目のG1となりました。古馬になってからの急成長というとジャスタウェイを想い出しますが、ジャスタウェイが天皇賞(秋)を制覇したのは4歳。ラブリーデイはそれよりもひとつ年上の5歳での大成です。早くから活躍する馬もいれば、こうして馬齢を重ね経験をつみ晩年になって自分の能力を引き出せるようになる馬もいるのだと改めて思いさせられます。これで古馬戦線はラブリーデイが中心となって動いていくのでしょう。5歳となり強さと凄みを引き出せるようになったラブリーデイとゴールドシップとの再戦が楽しみです。

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