きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歴史ある伝統の一戦!

ようこそいらっしゃいませ。

先週クラシック最後の一冠、菊花賞が行われ、幾多の困難をはねのけたキタサンブラックが悲願のG I 初優勝を飾った光景は記憶に新しいですね。
今週はいよいよJRAのG I 競走の中でも長い歴史と伝統を持つ天皇賞(秋)が行われます。本競走は3歳以上の中距離ナンバー1決定戦の意味もあり、古馬と3歳馬との激突が見どころの一つでもあります。天皇賞は春と秋の2回施行され、春の3200m長距離戦に対し、秋は2000mの中距離戦となります。1905年に創設された「エンペラーズカップ」が前身とされ、1937年に各競馬倶楽部が日本競馬会に統合されたのをきっかけに、第1回天皇賞が秋の東京競馬 芝2600mで施行されました。1981年の春から「勝ち抜き制」が廃止され、過去の優勝馬も出走できるようになりました。これまでにタマモクロスやスーパークリーク、メジロマックイーン、ライスシャワー、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、シンボリクリスエス、メイショウサムソン、フェノーメノなど9頭のスターホースが2回以上天皇賞を制しています。

今年で第152回を数える天皇賞ですが、層の厚い中距離戦線には実力馬がひしめき合い、実力馬だけでなく、ひと夏を越し、頭角を現した夏の上がり馬や菊花賞を回避し、天皇賞に狙いを定め、下克上を狙う3歳馬など伝統の一戦ならではの非常に楽しみなレースといえるでしょう。

注目馬はエプソムカップ・毎日王冠と重賞連勝で勢いにのるエイシンヒカリ。9戦8勝と驚異の勝率に加え、前走は今までの後続を大きく離して逃げるスタイルを更に進化させた走りを見せつけました。距離延長が勝敗を握るカギとなりそうですが、鞍上の武 豊騎手とはコンビを組んで3連勝中と相性は抜群ですから、百戦錬磨の名手との走りに期待しましょう。

対するは今年だけで重賞競走5勝し、春のグランプリ宝塚記念を制したラブリーデイ。秋初戦の京都大賞典で見せた末脚は、まさに名刀一閃のよう。完全本格化をとげた遅咲きの大器は、中距離王の称号を手に入れることができるのでしょうか。

他にも昨年の皐月賞馬イスラボニータやディフェンディングチャンピオンのスピルバーグ、今年のクラシック戦線で活躍したサトノクラウンなど一癖も二癖もある古馬、勢いのある3歳馬が参戦してきますから、有力馬も簡単には栄冠を手に入れることは難しいでしょう。

精鋭たちが集う東京競馬場で、名馬たちと共にその名を歴史に刻むのはいったいどの馬になるのでしょうか。G I ファンファーレが待ち遠しいですね。

×