きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

三冠馬と凱旋門賞馬と女王

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今週はブリーダーズCデーが開幕しますが、久々に大きな盛り上がりを見せそうです。というのも、ご承知のように37年ぶりの三冠馬アメリカンファラオという大ヒーローに、牝馬路線で無敵街道を走る名ヒロイン・ビホルダーが挑戦状を叩きつけ、加えて凱旋門賞馬ゴールデンホルンなど欧州勢も有力馬が各レースに大挙して大西洋を渡るからです。今年一番のビッグイベントになりそうですね。先週、イギリスのチャンピオンズデーが有力馬招聘に失敗して盛り上がりに欠けたというご報告をしましたが、競馬はやはり出走馬の質と量次第だということを実証するのでしょうか?

まずはメインのBCクラシック。アメリカンファラオとはもちろん初対決になるビホルダーは目下6連勝中でG1は内4勝。ジュベナイルフィリーズ、ディスタフと2部門を既に制し、頂上のクラシックでBC三冠目に虎視眈々。直接対決でファラオを倒して年度代表馬の座も狙おうと言うのでしょうか。ファラオには天敵フォロステッドの存在もやっかいです。前走トラヴァースSで執拗に絡まれ、末を乱してキーンアイスの差し脚に名を為さしめています。悪夢は二度訪れるのでしょうか?
アイルランドから遠征してくるグレンイーグルスは3歳では傑出した一流マイラーなのですが道悪を嫌って出走回避の連続。前走のクイーンエリザベス2世Sは久々で調教だけでは仕上がり切らず惨敗しました。一叩きで変わってはくるのでしょうが、初ダート、初距離とハードルは高いようです。ただ母が北米チャンピオンサイヤーのジャイアンツコーズウェイの全妹という血統で、コーズウェイの育ての親であるオブライエン調教師は内心に期すところがあるのでしょうか?いずれにしろ近年屈指の好一番です。

芝2400mのBCターフは凱旋門賞馬ゴールデンホルンに一本かぶりの様相です。ただしキーンランド競馬場は1周約1400mとヨーロッパでは経験したことがない超小回りコース。先行タイプのホルンは案外苦にしない可能性もありますが、追い込みが武器のファンドあたりは脚を余す心配もあります。ホルン=デットーリ、ファンド=ライアン・ムーアと鞍上はいずれも百戦錬磨の世界の名手。このあたりの腕比べも必見でしょうね。
明日はクラシック、ターフ以上にヨーロッパの強豪が押し寄せてくるマイルの模様を中心にウォッチしていきます。

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