きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

秋本番

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日本より一足早くヨーロッパはもう秋本番です。今週は土曜にアイルランド・レパーズタウン競馬場で愛チャンピオンS、日曜のフランス・ロンシャンでは未到の3連覇に旅立つトレヴがヴェルメイユ賞で始動、今季のチャンピオン決定戦シリーズの開幕です。10月初旬の凱旋門賞、中旬のアスコット英チャンピオンSと続き、オプションとしてブリーダーズCシリーズが用意されています。まぁ、ジャパンCという選択肢がなくもないのですが。

今年の愛チャンピオンSは、インターナショナルSで曲者牝馬アラビアンクイーンの大駆けの前に生涯初めての黒星を喫したゴールデンホルンの名誉挽回の一戦です。トレヴがとても順調そうなだけに、ここで負けてはシャレにもなりませんよね。昨年はザグレイギャッツビーがレースレコードで勝ったのですが、それを上回る時計で同日同コース同距離のG3エンタープライズSを制して素質の片鱗を披露したのがフリーイーグルでした。やはり今季は一段と成長を見せて、日本からスピルバーグも参戦したプリンスオブウェールズSでザグレイギャッツビーを抑え込んでG1初勝利を飾っています。この馬が対抗格ですね。

未知の魅力ならグレンイーグルス。9戦7勝と眩しい成績ですが、2度の敗戦の1度は1着入線しながら3着に降着されたもの。正真正銘、他馬に遅れを取ったのは仕上がり途上のデビュー戦だけ。マイラーとしては昨年8戦7勝で年度代表馬に輝いたキングマンに遜色ない高い素質の持ち主でしょう。ただここは初挑戦となる距離10ハロン、おまけに歴戦の古馬が相手と二重のハードルが待ち構えています。ここまで慎重な上にも慎重に出走レースを選んできたA.P.オブライエン調教師の胸の内に秘策が巡らされているのでしょうか。

ディフェンディング王者ザグレイギャッツビーの今季は絵に描いたような善戦マン、何だか引き立て役に回っているような残念なレースが続きました。ただ、ここ一番に強い勝負師的一面も秘めた馬です。一概に見限れないのかも。
古豪シリュスデゼーグルは8歳になった今年もG1ガネー賞を制して順調なスタートを切りました。しかし軽度の骨折で一頓挫、ここは挫けないヒーローの復活劇を期待しましょう。

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