きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

モレイラ旋風

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先週は土日札幌競馬場で「ワールドオールスタージョッキーズ」が行われました。JRA所属騎手7名に、外国人騎手5名、地方競馬代表騎手2名の合計14名が出場。土曜札幌9R、11R、日曜札幌10R、12Rの合計4レースで競われました。

優勝したのは香港から参戦したジョアン・モレイラでした。2勝2着1回で、2位の武豊騎手に6ポイント差をつけての優勝でした。3位は戸崎圭太騎手、4位には金沢から参戦の藤田弘治騎手が入りました。ジョアン・モレイラ騎手は巧みな騎乗センスから「マジック・モレイラ」「マジックマン」の異名で知られる騎手で、2000年から騎手生活を開始。サンパウロでの約9年間で1000勝以上をあげ、その後シンガポールへと渡り2010年から4年連続でリーディングジョッキーの座を獲得、2012年にはーズン記録の206勝を達成、2013年には騎乗機会全勝など数々の記録を打ち立てている騎手です。2013年に香港へ移籍し、日本へは今回2度目の来日となります。

その騎乗に注目が集まった土曜、モレイラ騎手は第1レースから手腕を発揮しました。
札幌1Rの2歳未勝利で4番人気のスミレに鞍上し勝利に導けば、4Rの3歳未勝利でベイビータピットを逃がして2着に3馬身半差をつけこの日2勝目。5R、6R、7Rこそとり逃すも、8Rで4番人気ラッキーダンで3着し、9Rの2015ワールドオールスタージョッキーズ第1戦で2着、11Rの2015ワールドオールスタージョッキーズ第2戦で優勝と初日から活躍。驚いたのは2日目で、日曜札幌ではワールドオールスタージョッキーズ以外にも10鞍騎乗し、1着4回、2着3回と鞍上した馬のうち7割を馬券圏内へと導き、2度目の来日とは思えないほどの活躍ぶりでした。
「香港がオフの時に短期免許の申請をしたい気持ちはある」とのことですから、短期免許での来日が実現すれば、日本人騎手にも大きな刺激になりそうです。

また今年の「ワールドオールスタージョッキーズ」では、2015ワールドオールスタージョッキーズ第1戦で金沢の藤田弘治騎手がJRA初勝利をあげました。8番人気ジューヴルエールをみごと勝利に導いての嬉しいJRA初勝利です。

「ワールドオールスタージョッキーズ」の前身「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」は1987年から2014年まで秋開催の11、12月に行われてきました。マンネリ打破、あるいは夏競馬を盛り上げるための意図から今回夏の札幌開催となり名称を変えて行われたわけですが、こうして世界の騎手に出会え、地方で活躍する騎手にも光があたる舞台でもあるわけですから、形を変えてでもシリーズは今後も継続していくべきだと改めて実感させられました。

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