きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

夏になると思い出す馬

ようこそいらっしゃいませ。

先週から2回小倉、1回札幌、2回新潟がスタートし、今週は日曜に小倉でサマー2000シリーズ第3戦となる小倉記念、新潟では3歳ダート重賞のレパードステークスが行われるなど、夏競馬も本番真っ只中を迎えています。

その夏になると思い出す馬がいます。2004年、2005年と小倉記念を連覇したメイショウカイドウです。
メイショウカイドウは2002年にデビュー。父はダートを中心に活躍馬を送り出していたスキャンで母キンセングローリーも現役時代の勝ち星はダートに限られていたことから、メイショウカイドウはデビューからしばらくはダートを走り続けることになります。初勝利は10戦目にしてようやく。その後は笠松競馬場で行われた交流競走を勝ったくらいで、中央での勝利は遠ざかり人気になるも惨敗といったレースを繰り返していました。

そのメイショウカイドウは4歳夏に500万下、1000万下、1600万下と条件戦を3連勝。翌年の夏に湘南ステークスを勝ち、初の重賞レース出走となった北九州記念では2着と本格化し、次走の小倉記念で単勝1.7倍の人気に応えて優勝、重賞タイトルを手にします。

最大のハイライトは翌年の走りでした。
2月にトップハンデを背負いながらも小倉大賞典を優勝すると、7月の北九州記念では2着ツルマルヨカニセに2馬身差をつけ完勝。前年の小倉記念と合わせて小倉で行われる古馬重賞をすべて制覇して27年ぶりの小倉三冠馬となったメイショウカイドウは、史上初の同一年での小倉三冠馬を目指して小倉記念に出走します。
レースは最後の直線でメイショウカイドウ、ワンモアチャッター、ツルマルヨカニセ、セフティーエンペラが横並びとなり、58.5キロのトップハンデを背負ったメイショウカイドウが3/4馬身抜け出してたところがゴールとなりました。点滅したレコードの文字が、メイショウカイドウの小倉での強さを象徴していました。ゴール前の攻防にゴール後の歓声は、まるでG1レースかのようだったことを思い出します。

メイショウカイドウは1度だけG1レースに出走します。2005年の天皇賞(秋)に出走し、18頭立ての18着に終わっています。
されどこうして夏になるとメイショウカイドウを思い出します。なにもG1を勝つだけがスターやヒーローでないことをメイショウカイドウは示しているように思います。

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