きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

新潟から始まる風物語の第2章

ようこそいらっしゃいませ。

日曜新潟競馬場ではアイビスサマーダッシュが行われました。今年で15回目の新潟夏を飾る直線競馬です。
1番人気は4歳牝馬のベルカントで3.7倍、2番人気は前年の覇者セイコーライコウで5.1倍、3番人気は3歳馬レンイングランドで7.0倍、4番人気は昨年3着のレンイングランドで7.7倍、5番人気は6歳牝馬のリトルゲルダで9.8倍とここまでが10倍を切るオッズで上位人気を形成してのレースとなりました。

勝ったのは外枠13番に入った4歳牝馬ベルカントでした。スタートから外ラチ沿いにポジションをとって先行し、レース中盤で先頭へ立ってそのまま押し切っての勝利でした。
ベルカントはアイビスサマーダッシュが3度目の重賞勝利となります。2歳時にデビュー戦を逃げて5馬身差の圧勝で飾ると、2戦目の小倉2歳ステークスでは同じく快速ぶりを発揮してデビューを飾ったホウライアキコとの激突となり2着に敗れるものの次走のファンタジーステークスを逃げて完勝。そのまま阪神ジュベナイルフィリーズには向かわずに牡馬相手の朝日杯フューチュリティステークスを選び、久々の牝馬参戦とあって注目を集めました。

その朝日杯フューチュリティステークスでは3番人気に支持されるもアジアエクスプレスの10着に敗れ、翌年はフィリーズレビューから桜花賞へと向かいます。フィリーズレビューこそ好位から抜け出し完勝するも、その勝利を最後にベルカントからしばらく勝ち星が遠ざかっていました。今回のアイビスサマーダッシュの勝利は1年4カ月ぶり。2着シンボリディスコには2馬身差をつける完勝でした。レース中団から暑い日差しの下で先頭に立ち、ちょうど残り200mあたりでスタンドの陰を走り、そしてゴール手前でスタンドの陰を抜けて再び日差しの下を鮮やかに抜け出した様は、デビューから脚光を浴びしばらく陰となっていた状態から鮮やかに抜け出し復活したベルカント自身の戦歴を見ているかのようでした。まさに新潟直線でのゴールから新たにベルカントの第2章が始まりを告げたような、今年のアイビスサマーダッシュはそんなレースになりました。

×