きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

グロリアス・グッドウッド

ようこそいらっしゃいませ。

猛暑の毎日ですが、お元気にお過ごしでしょうか。今週のイギリスは、国王エドワード7世が『競馬に彩られた園遊会』と呼びロイヤルアスコットと比肩するほど華やかな社交場的雰囲気が充溢するグッドウッド開催です。メインは今夜スタートする3歳と古馬それぞれのマイル王が激突するサセックスS。毎年のように印象深い戦いが繰り広げられる名物レースです。フランス・ドーヴィルのジャックルマロワ賞、シーズン終幕のアスコット・クイーンエリザベス2世Sとともに欧州三大マイル頂上決戦に擬せられますが、個人的には新旧強豪のフレッシュな初顔合わせとなるこのレースが一番好きですね。

ところが今年は断然の3歳チャンプ・グレンイーグルスが10F路線に転向を表明していて、ここはスキップして8月中旬のインターナショナルSに向かうようです。となると、6連勝中のフランスからの遠征馬ソロウで仕方がないということになりそうです。去年まではG1出走経験もない存在でしたが、5歳になった今季は”フランス版ジャスタウェイ”を地で行く覚醒ぶりで、ドバイ、ロンシャン、ロイヤルアスコットとG1を3連勝して王座に昇り詰めています。連勝馬らしく勝ち方を知っているかのような“したたかな”レースぶりが持ち味で、末脚も強靭そのもの。隙のない本命馬という印象で負ける姿がイメージしにくい馬ですね。

昨年の英2000ギニー馬で今季もG1ロッキンジSを勝っているナイトオブサンダーが押し出される形で“暫定対抗馬”格なんでしょうが、勝つにはもうワンパンチ必要なような気がします。ソロウのフレディ・ヘッド師は騎手としてマイルの歴史的女王ミエスク、調教師としてG1・14勝のマイルの女帝ゴルディコヴァに付き添った人物で、マイルの土俵では世界で一番勝ち方を知り尽くしているコンビと言えます。ここはお手並み拝見の一戦となるのでしょうか。

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