きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

欧州三冠へ

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今週土曜はアスコットを舞台にキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(略称キングジョージ)が行われます。欧州三冠、そう呼んでいるのは日本だけらしいのですが、エプソムダービー、凱旋門賞と並び称される2400mのチャンピオンシップとして世界のホースマンの尊敬を集める最高峰レースです。長い歴史の中で三冠を制したのは、良く知られるように71年のミルリーフと95年のラムタラの2頭だけ。大変な偉業です。ダービーは200年を超え、凱旋門賞は間もなく100年、一番新しいキングジョジージでも64年と長い歴史に育まれてきた、もはや伝説です。考えてみれば、8F、12F、14Fと異なる条件で三冠を争う200年来の伝統に事実上の終止符が打たれたのはミルリーフの前年、ニジンスキーによる最後の挑戦でした。(3年前にキャメロットが挑戦していますが、時代は既に旧三冠レースをチャンピオンシップとして認識していませんでした)

ニジンスキーで終わり、ミルリーフから始まった新旧チャンピオンロードですが、今世紀の早い内には10Fで競われるようになるんでしょうか。ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズSからエクリプスS、インターナショナルSを経て、再びアスコットに戻ってのチャンピオンS、イギリスのチャンピオンズシリーズはチャンピオンシップの21世紀型モデルを提案しているのでしょう。天皇賞秋とか暮れの香港Cは仲間入りする資格がありそうですし、BCターフやドバイシーマクラシックも距離短縮を一考して、ワールドワイドなチャンピオンロード実現へと世界は向かっていくんでしょうね。

閑話休題。今年のキングジョージは1700万円余りもの追加登録料を支払った上で英ダービーを勝ち、古馬相手のエクリプスSも完勝してフランケルと並ぶ130ポンドのレーティングを獲得したゴールデンホルンで断然のムードです。ブックメーカーのオッズも軒並み1倍台の一本被り。世界中で欧州三冠の資格を持つただ1頭の馬ですから、無事に凱旋門賞まで行って欲しいとファン誰もが願っているのでしょう。3連覇に向かうトレヴも至極順調のようですし、できればドゥラメンテに行って欲しかったというのが本音です。こんなに素敵な凱旋門賞は見ようたって、そう簡単に見られるものじゃありませんから。

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