きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

開催日固定の記念レース

ようこそいらっしゃいませ。

一昨日、パリのロンシャン競馬場では伝統のパリ大賞が行われました。7月14日というと、200年以上も前に自由・平等・友愛を旗印に多くの政治犯が囚われていたバスティーユ監獄襲撃に端を発するフランス革命決起の記念日です。この日になると、曜日に関係なくロンシャン2400mを舞台にパリ大賞がスタートします。かつては凱旋門賞を優に凌ぐ格式を誇っていたレースで、賞金もこちらの方が高く、ヨーロッパ各国のダービー馬が集まる3歳最強馬決定戦として人気が定着していました。第3回の1865年にフランス調教馬ながらイギリス三冠馬となった神話的な名馬グラディアトゥールが勝ったことで人気と格式が決定的になったようです。

革命記念日に固定されたのは比較的最近で2005年のフランス競馬改革がキッカケです。日程的に競合せざるを得ない英ダービーと差別化を図り、優秀な出走馬に参加してもらうため仏ダービーを2100mに距離短縮し、それまで2000mだった(グラディアトゥール当時の3000m、その後の3100mという時代も長かったのですが)パリ大賞を2400mのチャンピオンシップに変更して開催日を7月14日に固定したのが始まりです。

開催日固定では毎年11月2日のオーストラリア・メルボルンCが有名ですね。州によっては祝祭日となり国を挙げての大イベントとして親しまれています。当協会の西川賢会長はかねてから『有馬記念の日』制定を熱心に訴えていますが、これも曜日に関係なくクリスマスの日とか、今上天皇の誕生日であり祝日ともなる23日にやるとか日取りが固定されると、より親しみやすくなると思うのですが。ぜひご検討ください。

さて、今年のパリ大賞、3戦3勝のドバウィ産駒エルプトと2戦2勝のガリレオ産駒アンペレの無敗馬同士の対決となり、3歳勢の絶対王者ゴールデンホルンや古馬界の女帝トレヴに対する挑戦者決定戦みたいな雰囲気になりましたが、日本でもお馴染みのニアルコスファミリーのオーナーブリーダー馬エルプトが押し切り4戦4勝とノンストップで凱旋門賞めざして突っ走ります。それにしても今季のドバウィは絶好調です。半ばホームのドバイでの貯金が効いていると思っていたら、ヨーロッパに舞台が移っても不動のチャンピオン・ガリレオを圧倒する働きを続けています。パリ大賞はその象徴のようなレースだったかもしれません。話が横道に逸れましたが、お盆などを含めて開催日固定のレースが増えると親しみも増し盛り上がりもひとしおで嬉しいのですが。

×