きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

二冠馬の行くべき道

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ダービーが終わり、皐月賞、ダービーと二冠を達成したドゥラメンテの今後の選択に注目が集まっています。
これまで春の3歳クラシックで二冠を達成した馬へ出てくる話題と言えば、秋・菊花賞で三冠なるかどうかでした。それが二冠馬へ課せられた使命であるかのように、皐月賞、ダービー、そして菊花賞の三冠こそが3歳馬にとり最大で最高の栄誉として輝いていました。二冠馬の中には京都3000mの距離が長いと思われる馬もいました。されど、そんな場合でも長距離への克服が話題の焦点になり、二冠馬へ向けられる視線は菊花賞ありきでした。

しかし今年はどこか様相が違います。
ドゥラメンテに対して、菊花賞ではなく凱旋門賞の声や期待が多いようにも感じます。イギリスのブックメーカーは日本ダービーの結果を受けて、凱旋門賞の前売りオッズを更新。史上初の3連覇を狙うトレヴへの対抗馬として、ドゥラメンテを2番人気にオッズを引き上げました。皐月賞優勝後、ドゥラメンテはリアルスティールとともに凱旋門賞への一次登録は済ませているます。特に3歳での参戦は古馬とは3.5キロの斤量面でのアドバンテージがあり古馬での参戦よりも有利に働きますから、秋は凱旋門賞といった選択肢も当然浮上してきます。

これまで日本の競馬の歴史で三冠馬は、1941年のセントライトに始まり、1964年のシンザン、1983年のミスターシービー、1984年のシンボリルドルフ、1994年のナリタブライアン、2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴルのわずか7頭しかいません。いずれの馬も三冠馬にふさわしい強烈な個性と蹄跡とそしてその姿を、ファンの脳裏に残しています。三冠馬は二冠馬にとり生涯一度だけ挑戦できる舞台です。それだけの名誉とステータスと歴史が三冠にはあります。その重みを踏まえてもなおドゥラメンテの凱旋門賞への挑戦に期待も高まるのは、三冠馬をとりまく雰囲気も時代とともにどこか少しずつ変化してきているからなのでしょうか。いずれにしても、二冠馬ドゥラメンテのこの秋向かう行くべき道の選択は、菊花賞、凱旋門賞、どちらを選んでも大きな話題を呼ぶ決断となりそうです。

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