きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

最強馬の証明

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日曜京都競馬場では古馬長距離最強決定戦の天皇賞(春)が行われました。キズナが単勝3.3倍で1番人気に支持され、2番人気はゴールドシップで4.6倍、以下アドマイヤデウスが5.4倍、サウンズオブアースが6.2倍、ラストインパクトが12.5倍と上位人気でつづいてのレースとなりました。

勝ったのはゴールドシップでした。3歳時に皐月賞、菊花賞、有馬記念制覇に、古馬になってから史上初の宝塚記念連覇に阪神大賞典でも他馬を圧倒と実績面では出走馬の中でズバ抜けて上ですから勝って当然といえば当然なのですが、天皇賞(春)はこれまで2度挑んで人気になるも馬券対象から外れ、AJCCや京都大賞典などG2戦でときに凡走、高速馬場は不向きとも評され、今年の天皇賞(春)でも主役の座はキズナに譲った形となりました。

それにしてもゴールドシップの走りには驚かされました。
ファンファーレ後のゲート入りには手こずり、ようやく入って無事スタートを切ったかと思えばズルズルと下がって最後方追走。最初の直線入り口では後方2番手のキズナから遅れること3、4馬身の最後方で、歓声と共に後方3番手まで上がっていったかと思えば、向こう正面に入り2000mを通過したところでなんと一気にスパート。ムチが入りあっという間に先頭から4番手まで駆け上がり、直線では先頭に立つカレンミロティックに一歩づつ差をつめ、最後は後方から一気の末脚で飛んできたフェイムゲームをクビ差交わして勝利を手にしました。レース数週間前、迷っていた出走出否の決断を下し出走を決めたゴールドシップは、3度目の出走で本領を発揮し最強馬の証明をしました。

一方、1番人気に支持され復活Vを期待されていたキズナは直線大外からの強襲を試みましたが、伸び切れずに7着に終わりました。2013年にはダービーを制覇し、オルフェーヴルと共に凱旋門賞を走った馬ですから、これが本来の姿ではないはず。ぜひ次走で完全復活を期待したいところです。

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