きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

いざ、栄光の舞台へ

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先週は土日東京、京都、福島でそれぞれ重賞レースが行われました。東京のメインはフローラステークス、京都のメインはマイラーズカップ、福島のメインは福島牝馬ステークスでした。
いずれも春のG1の出走権をかけた前哨戦で、各レースいずれもゴール前は大混戦のレースとなりました。

オークスへの優先出走権がかかったフローラステークスは、2番人気のシングウィズジョイが2番手追走からゴール前、坂を上がったところで先頭に立ち、馬場内から迫るディアマイダーリンをクビ差振り切り優勝。君子蘭賞につづいての連勝でオークスに名乗りを挙げました。シングウィズジョイは父マンハッタンカフェ、母父シンボリクリスエスの血統になります。桜花賞で1番人気に支持されたルージュバックにフィリーズレビュー覇者クイーンズリングに加えて、マンハッタンカフェ産駒からさらに1頭クラシック戦線を彩らせる牝馬の登場となりました。また2着にはディアマイダーリン、3着にはマキシマムドパリが入りオークスへの優先出走権を手にしています。

京都のメインマイラーズカップは安田記念への優先出走権をかけてのレースになり、勝ったのは8番人気のレッドアリオンでした。レッドアリオンは父アグネスタキオン、母父ダンシングブレーヴの血統です。母エリモピクシーはエリザベス女王杯で4着、牝馬重賞で3着3回の成績を残した馬で、繁殖入り後、スワンステークスを勝ったリディルに関屋記念に東京新聞杯、富士ステークスなどマイルを中心にこれまで6つの重賞タイトルを手にしているクラレントを産んでいます。レッドアリオンは今回が初の重賞制覇となりましたが、3歳時にはアーリントンカップ3着にニュージーランドトロフィー2着、NHKマイルカップ4着と早くから才能の片鱗を魅せてきてましたし、前走の洛陽ステークスにつづいてマイル2連勝と安田記念が楽しみになる勝利となりました。

福島の福島牝馬ステークスは優勝馬にヴィクトリアマイルへの優先出走権が与えられるレースで、今年勝利を手のしたのは5歳牝馬のスイートサルサでした。スイートサルサは父デュランダル、母父グランドロッジの血統です。グランドロッジはアメリカ産まれで2歳時にイギリスで行われるデュハーストステークスを勝ち2歳頂点に立った馬です。デュハーストステークスの優勝馬には、ハイペリオンやニジンスキー、ミルリーフなど種牡馬となりその血を系譜として日本の競馬に大きく影響を与えた馬も多くいます。グランドロッジ産駒で日本での活躍馬はシンボリグランで、G1タイトルこそ手にできなかったもののカンパニーあるいはダイワメジャーらと激突してきた馬でした。スイートサルサは東京での実績もあります。シンボリグランが成し遂げられなかったG1制覇を手にし、デュハーストステークスの血を再び日本の競馬に深く刻むことができるでしょうか。ヴィクトリアマイルでの走りに注目してみたいです。

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