きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ケンタッキーダービーへの道 (4)

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ボブ・バファート厩舎VSトッド・プレッチャー厩舎と現代のアメリカを代表する名門ステーブル同士の激突という構図で進んでいる今年のケンタッキーダービーですが、伏兵陣に目を転じると、あまり話題にならないのですがドバイワールドC開催のUAEダービーはケンタッキーダービーの前哨戦に位置付けられ、優勝馬には出走権が与えられます。ただしまだ実績には結びついていません。

昨年はトーストオブニューヨークが権利を獲得したのですが結局は不出走。秋にはBCクラシックで惜しいハナ差2着、ダービー馬カルフォルニアクロームにクビ差ながら先着したのですから、史上初のUAE&USAダービー二冠馬が誕生していた可能性がありました。BC以降に凱旋門賞連覇トレヴ同様にカタールのアルシャカブレーシングに高額トレードされたほどの馬であることを考えると、そう的外れな推測ではないでしょう。

さて、ソロソロ感も漂う今年はムブタヒージというドバウィ産駒が8馬身差の圧勝で勝ち上がってきました。イギリスでデビューし、昨年の大晦日からはメイダンに根を下ろして素質を開花させてきた馬です。日本のゴールデンバローズがそこからさらに4分の3馬身遅れの3着でしたから、馬場への慣れをプラスしても相当な実力馬でしょう。モハメド殿下の所有馬で南アフリカの名伯楽マイク・デ・コック調教師の管理と国際色豊かな馬がケンタッキーダービーに参加するというのも開かれた前哨戦システムの成果でしょうか。

日本ではこの時期、ダート得意な馬は番組的に出走レースに苦労しています。手薄なダート路線を連勝して芝の日本ダービー出走というのも違和感があります。ダートで勝ってきたらダートで雌雄を決してほしいものです。ジャパンダートダービーを前倒しして《ロード・トゥ・ケンタッキーダービー》の一路線として盛り上げていくことも一考の価値があるでしょう。それが無理なら、USAダービーからケンタッキーへの道を歩むしかありません。日本だけで世界に通用するダートのチャンピオン決定戦を施行するのは現実的じゃないでしょう。ジャパンCダートが消滅してしまったことを含めて、色々と考えなければならない時期なのでしょう。

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