きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ケンタッキーダービーへの道 (3)

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ボブ・バファート厩舎のアメリカンファラオ、ドルトムントの両雄が一歩抜け出す格好の今年のケンタッキーダービーです。ファラオはアーカーンソーダービーで有無を言わせぬ8馬身差、2歳時から最有力候補視された底力の確かさを証明しました。ドルトムントはダンチヒ系らしい一本調子の快速馬ですが、サンタアニタダービーは落鉄もお構いなしでグングン加速、力任せに4馬身余り千切ってみせました。強いレースでした。これで6戦6勝と負け知らず、距離が延び相手も揃う本番でこうした破天荒で向こう見ずな競馬が通用するのでしょうか? 半信半疑ではあれ現実に負けていない勢いは軽くありません。

バファート厩舎の向こうを張るのはトッド・プレッチャー師。今年は3戦無敗でフロリダダービーを制したマテリアリティと強敵相手に5戦4勝2着1回と堅実さキラリのカルペディエム、底を見せない未知の魅力と歴戦の強者という強力二本槍です。バファート師はウォーエンブレムなど3頭のダービー馬を出し、北米競馬界に比類ない輝きを放っている名トレーナーですが、プレッチャー師も管理馬をダービーに送り込むことにかけてはこの10年で33頭と圧倒的なプレッチャー軍団を築き上げておりアメリカ広しと言えど右に出る存在がない凄腕ぶりです。日米では厩舎制度もかなり違うので一概に比較できませんが、ダービーに愛馬を出走させてくれる厩舎は頼もしいものです。

アメリカを代表する名門同士の激突となった今年のダービー、ただ昨年のカリフォルニアクロームのようにまったく無名のマイナー種牡馬の仔が台頭したりするレースでもあります。
チャーチルタウンズには魔物が棲んでいる気配も漂います。伏兵が潜んでいないか?明日はそのあたりを検証します。

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