馬事叢論中山馬主協会の活動報告、提言など

第6回「凱旋門賞ウィークエンドとロンシャン競馬場」
世界の最高峰レースの一つとして名高い凱旋門賞は、毎年10月第1週の日曜日に開催されており、前日の土曜日と合せて行われる重賞集中開催は、凱旋門賞ウィークエンドと呼ばれています。

この2日間で純血アラブ種限定の2レースを含む計13の重賞競走が施行されます。
凱旋門賞の舞台となるロンシャン競馬場にはたくさんの人であふれ、スーツでビシッときめた紳士や色とりどりの美しいドレスに身を包んだ淑女らが集まり、競馬場がホースマンたちの社交場として華やかな雰囲気を作り出しています。

彼らのように正装している人もいれば、そうでない人も入り混り、盛大なお祭りのように純粋に競馬を楽しんでいる姿が見られます。
日本をはじめ、アメリカやヨーロッパ各国から大勢のテュルフィスト(競馬ファン)が自国の競走馬と騎手を応援しにきています。

メインレースの凱旋門賞に向けて会場のボルテージは次第に高まっていきます。
  • ロンシャンに刻まれる歴史と浪漫
パリ近郊ブローニュの森のセーヌ河畔に位置するロンシャン競馬場

パリ近郊ブローニュの森のセーヌ河畔に位置するロンシャン競馬場は、日本の地方空港と同規模の広大な敷地面積を誇り、世界で一番美しいと言われる競馬場です。

ロンシャン競馬場では、凱旋門賞だけでなく仏2000ギニーや仏1000ギニー、パリ大賞典などのGⅠレースが開催され、フランスで施行される重賞レース110レースのうち約半数の48レースが行われています。

当協会からは会員および同伴者がフランス競馬視察に参加し、一行は世界の強豪馬と日本から参戦するハープスター、ジャスタウェイ、ゴールドシップら3頭の活躍に期待しながらホースマンたちの夢の舞台に赴きます。

多くの人で賑わうロンシャン競馬場

ロンシャン競馬場の正門まで続く外路を紅葉に彩られた木々たちや異国情緒溢れる景色に魅せられながら歩いて行きます。

道中、おしゃれな衣装に身を包んだ男女のグループや可愛い子供を連れた親子、普段着姿の競馬ファンなど老若男女様々な人々が行き交います。
正門では既に沢山の人で埋め尽くされ、場内にはおしゃれなカフェやグッズ販売店、高級車の展示会などまさにお祭りのような賑わいをみせていました。

フランス競馬史上最高の国民的英雄と評されたイギリスクラシック三冠馬のグラディアトゥールや仏ダービー、凱旋門賞を制したスワーヴダンサーらの記念像に出迎えられ、一行は世界最高峰レース凱旋門賞の発走まで競馬場内の心躍る雰囲気を各々楽しんでいました。

ロンシャン競馬場のコース。凱旋門賞は大回り2,400mで行われる(公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナルより)

ロンシャン競馬場の馬場は、右回りの芝コース1000m~4000mの競走が可能で、凱旋門賞は大周りの2400mで施行され、コースの高低差は最大10mにもおよび、第4コーナーまではフォルスストレート(偽りの直線)と呼ばれる最大650mの擬似直線が続きます。

2400mのスタート地点奥に赤い風車小屋が見られますが、競馬場に風車小屋?と疑問に思いますよね。
これはロンシャン競馬場が建設される以前、ロンシャン平原と呼ばれていたセーヌ川沿いの草原に13世紀ころ女子修道院が建てられ、当時の習慣に従い、農地と風車に囲まれていました。

後のフランス革命により修道院は破壊されますが、そのころの名残として風車小屋が今でも見られるのだそうです。

場内で目を引くオシャレな帽子(Photo: Guillaume Cattiaux

場内でやっぱり目を引くのは美しい衣装を身にまとった女性たちが身につけているオシャレな帽子でしょう。

「ヨーロッパの競馬場は正装で」と言われるほど帽子は西洋の正装のひとつとされており、帽子着用の女性は入場無料となります。
我々中山馬主協会も紳士・淑女の集まりですから、西洋の習わしに合せて帽子を身につける方も多く、女性陣の姿はまさにパリジェンヌそのもの。
パリっ子たちの持つ独特の雰囲気にすっかり溶け込んでいらっしゃいました。

当日は9レース中、8つの重賞競走が組まれ、毎レース重賞競走が見られる競馬ファンにとっては至極の一日といえます。

次回は、凱旋門賞とレース観戦の様子をお届けします。