馬事叢論 活動報告、提言など

第5回「懐かしのケンタッキー(後編)」

アメリカで見たこと考えたこと 第5回「懐かしのケンタッキー(後編)」

研修団一行は“サラブレッドの故郷”レキシントンの名門牧場、ヒルンデイルファームにお邪魔しています。 そこで一行を驚かせたサラブレッドとは? ご用とお急ぎのない方はどうぞ読んでみてください。

ヒルンデイルファームの深い緑のなかに、1頭の鹿毛馬が引き出されてきました。
『Seeking the Dia』と紹介されました。

日本での馬名登録はシーキングザダイヤ、こんなところで会えるとは、世間も捨てたものではありません。当協会の会員である青山洋一さんの所有馬としておもにダートG1戦戦で大活躍しました。

ちょっと運がない馬で、なかなか勝てませんでしたが、 G1レースで2着をなんと9度もマークしています。世界的に見ても珍しくギネスものの記録ではないでしょうか。
凱旋門賞を3年連続2着したユームザインが有名ですが、彼のG1レース2着記録は合計7回です。

日本ではテイエムオペラオーのライバルとして死闘を演じたメイショウドトウの2着5回、渋い脇役として人気のあったステイゴールドの4回、ここらあたりが印象に残っていますが、9回というのは空前にして絶後ではないでしょうか。
並み外れた能力があって、初めて可能な記録だと思います。

父がジャイアンツコーズウェイをはじめ欧米で大成功を収めているストームキャットで母が日本調教馬初の欧州G1馬シーキングザパール、世界的良血を評価されてのヒルンデイル入りでしょう。

産駒はことしの当歳がファーストクロップですから、2年後の競馬場デビューとなります。ぜひ銀メダルコレクターの無念を腫らしてほしいものです。

懐かしさが募るシーキングザダイヤに別れを告げて、一行は次の研修地ウィンチェスターファームへ向います。

※この記事は2010年10月26日に公開されました。


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